生意気な彼女
生意気な彼女

「貰えるものは貰っておかないとねー」

わたしと向かい合って座るサクラはそう言うと、細い指に挟んでいたタバコに火をつけた。

「いいなぁ。うらやましい」

辺りに漂うタバコの煙を眺めながらそう呟くと、サクラは、

「うふふふふ。いいでしょー。これ、欲しかったんだ」

数時間前まで一緒にいた男性から貰ったという香水のボトルを嬉しそうに眺めながら、ふーっと長く息を吐き出した。


サクラが貰った香水は、雑誌にもよく掲載されるものだった。


「その人と、付き合ったりするの?」

「えーっ?まだ、ぜんぜん。そんなこと考えてないよ」

「ふぅん」

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