「前川、今日は?」

「ごめん、今日もちょっと……」

あの日から一週間。明らかに彼の様子は変わっていった。
以前にも増して誘ってくる頻度が増したのだ。

「そっか。……じゃあさ、明日は弁当用意してこないでよ。美味しい昼飯、奢るからさ」

そして少し強引になった。でもなぜか嫌な気持ちにはならなかった。
給湯室で見せられたこの笑顔で言われてしまっては、何も言えなくなる。

「……分かった」

チラッと彼を見れば、やっぱり嬉しそうに微笑んでいた。



今井君が嫌い。
それは昔から今も変わらない。
だって今更すぐに信じることなんて出来ないし。
彼が心を開いてくればくるほど、疑ってしまう。もしかしたら私のことをとっくに思い出していて、新たな手口でイジメようとしているのではないか、と――。
そう分かっているのに、彼に返事を返してしまう私はどこかおかしいのかもしれない。

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