─── ドクン、ドクン


文房具や本の、無機質な匂い。

カタカタとリズムよく音を鳴らしている、パソコンのキーボード。

それから、珍しく速く波打っている私の胸の鼓動。


「こ……小松といいます。精一杯頑張りますので、宜しくお願い致します。」


そう言ってぺこりと頭を下げた私の名は、小松胡桃(コマツ クルミ)


地元の大学を卒業した後、約2年という長期の就職活動を経てようやく今日から正社員。

特に大きな理由があったわけではないけれど、どうしても事務職に就きたかった私。

しかし、小学生の頃から大学まで成績は全く良くなく、寧ろ悪い方で。おまけに部活を頑張っていたとかそういうものもなく何の取り柄もなかった。

願望だけは並べられるほど沢山あったけれど、その願望をモノにできるような長所が私には皆無だったのだ


「小松さんには教育係として担当の者を決めてあるので、その担当者に従って仕事を進めてもらいます」


しかし2年間必死に頑張り続けた結果、奇跡的に文具メーカー〝OFL(オーエフエル)〟の事務員として就職が決まった。

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社内恋愛  オフィスラブ  胸キュン  年の差  ドキドキ  上司  OL  長編 

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