業務報告はキスのあとで

まあ、そんな風に唇を噛み締めたところで涙が止まるわけもなく、また、涙は頬を伝う。

それは、終わりが見えないかのように。ずっと、ずっと、流れ落ちる。




「うう……っ、く」




悔しい

悲しい

不安

疑問



沢山の感情が入り混じって、それが何故か涙になって溢れ出す。



入って間も無いのに、早くもこんな事になるとは思ってもみなかった。

きっと私は、平凡になんとかやってのけるのだろうと、そう思っていただけに今回のダメージは大きい。


頭は良くないし、何の取り柄もない。けれど、それなりにどんな仕事だって丁寧に且つ真剣に取り組める自信だけはあった、のに。


あぁ……これから、ここでの信用をどうやって取り戻そうか。

もう、信用してもらえなくて、仕事も回ってこないかもしれない。



もしも、そうなったら私は……

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