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「あのクソ社長っ!」


あと1時間で定時となる頃、突然、バンッ!とオフィス内にドアの開く大きな音が響くと共に飛んできたその声。

私を始めオフィス内にいた数人の同僚は、ビクッと身体を震わせた。

ちょうど外回りから帰ってきてコーヒーを飲みながら一息ついていた私より5つ上の先輩にいたっては、コーヒーを溢しそうになってあわあわしてしまっている。

私はそれを横目にパソコンのキーボードを打つ手を止め、怒鳴り声のした方向にそっと目を向けた。


「あーくそっ!ムカつく!」


私の目線の先にいるのは、ぶつぶつと“単なる独り言”を零しながらデスクにバンッと手帳を置いてドカッとオフィスチェアに座る、真野(まの)営業部長だ。

その容姿は甘くて優しそうなものなのに、その口から発される言葉はいつ聞いても容赦のないもの。

私はたまたまぱちっと目が合った同僚と目配せして、『また始まった』とくすりと苦笑いを浮かべた。

 

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