狂気の王と永遠の愛(接吻)を・センスイ編収録

望んだカタチ

「そんな、大げさです…っ!!」


「……」


じっと見つめられ、委縮してしまったアオイ。しかし、そのセンスイの懇願するような視線に耐えられず…


「…わ、わかりました…」


明らかに自分より優れている者に対して、こんな生意気言っていいんだろうか…と内心葛藤していたアオイだが、やがて口を開いた。


「…先生、何か大きなものを抱えている気がしました。それが原因かどうかわかりませんが、自分を押し殺しているような印象を受けて…」



以前、※"鳥の王様"に言われた事がある。


"俺もキュリオも、ただ素質があったってだけで…なりたかったものは他にあるかもしれないぜ?"


※シークレットストーリー参照ですごめんなさい。



(やっぱり…王様って"犠牲"なのかな…)


なりたくてなったわけではないのに、王になったから多くの事を諦めろ、だなんて…それがあまりにもひどい事のような気がして、アオイがずっと答えを見出せずにいる事柄のひとつだった。



「…私は心から望んで今の私となりました。センスイとして生きている事に不満はありませんが、不安はあります」


「不満がないのに不安があるんですか?」


「…えぇ。私もアオイさんに聞きたい事があったんです。よろしければお聞かせ願えますか?」


「は、はいっ…もちろんです」


姿勢を正したアオイは緊張をほぐすようにカップへと口を付けた。それに合わせるようにセンスイもミルクを一口飲み…



「人は…生まれ変わっても同じ方と結ばれる運命なのでしょうか?」



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