課長、ちゃんとしてください。
課長、ちゃんと仕事してください







「………えー、みなさーん。


お忙しいところ、ごめーんね~。


ちょおっと、お仕事の手を止めてもらっていいですか~?」







課長の呑気な声がオフィスに響き渡ると、皆がいっせいに顔を上げた。







「課長、どうしたんですか?」





「何かあったんですか?」







口々に声を上げる部下たちを、へらりとした笑顔で見回し、課長が「実はね~あのね~」と勿体ぶった口調で言う。







「みなさんに~、大事なご報告がー、あるので~す」






「えっ、なんですか!?」






「まさか、結婚とかですか!?」






「いやいや、それはありえないっしょ」







みんなは好き勝手にそんなことを言い合っている。





その様子を、課長がうふふと嬉しそうに笑いながら眺めていた。





そして、ぴん、と人差し指を立てて、宣言したことには。







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