鬼課長とのお見合いで(新たに9月15日に修正済み)

 教習所は、確かにすぐ近くにあった。
手続きを済ませるとまず話を聞きに行き説明をされた。
 学科講習と技能講習などがある。
試験もあるから、これに合格をしないと免許が貰えないし難しいらしい。

 まずは、学科講習で合格をしなくちゃあ……。
帰り道に私は、本屋に寄り免許用の参考書を買った。
 和季には、新しい絵本を買ってあげた。
午後は、和季が昼寝をしている間に私は、参考書で勉強する。

「えっと……このマークは、何のマークだったかしら?」

 マークが多過ぎて分からない。思ったより複雑で難しい。
真剣に勉強をしないと落ちてしまうわね。
 しかし、家事と子育ての間に勉強をするのは、なかなか難しい。
 考えている間に和季が泣いたりイタズラをしているし
かけていた鍋が沸騰して慌てて火を止めた。

 その夜も課長が和季を寝かしつけてくれる間に私は、
手早く食器洗いを済ませて勉強を始めた。
 問題集の問いに苦戦しながら書き込んでいると課長が入ってきた。

「ふぅ~やっと寝てくれた。うん?勉強をしているのか?」

「あ、すみません。 すぐにお茶の用意を……」

「いや、自分でやるからいい。なるほど……問題集か。
うん?これ答えが間違っているぞ」

 慌てて立ち上がろうとすると課長が間違った所を指摘される。
えぇっ?おかしいなぁ~当たっていると思ったのに。

「ココとココもだ。貸せ。俺が教えてやる。
間違ったまま覚えてしまうと後が大変だからな」

 問題集と参考書を持つと私に指導してくれた。
しかも分かりやすく教えてくれるので非常に覚えやすい。
 これなら最初から聞いておけば良かったと思った。

「あなたって……いつから免許を取ったんですか?」

「大学に入ってすぐに取りに行った」

「へぇ~ちなみに何回で?」

「1回」

 アッサリと返事がきた。
えぇっ!?1回で…凄い。さすが……課長だわ!!

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