鬼課長とのお見合いで(新たに9月15日に修正済み)

 『私は、警察の武井という者なんですが実は、
先ほど奥様とお子さんが乗っていた車と違反した車がぶつかりまして…。
 それで、今現在…県立病院に運ばれたんですが』

「えっ?妻、妻は、無事なんですか!?
息子も無事なんですか!?」

『今、検査の途中でして…』

 必死に警察の人が詳しく事情を説明するが
課長は、自分を落ち着かせることに必死だった。
 頭が真っ白になっていた。

 しばらくして電話を切ると慌てて帰る身支度をする。
早退理由は、近くの部下に簡単に伝えておく。
 そして慌ててタクシーを呼び乗り込んだ。
その頃。私は、おでこを包帯で巻かれていた。

「はい。出来ましたよ!」

「ありがとうございます」

ニコッとお礼を言う。車は、凹んでしまった。
 幸いな事に車がクッションになりおでこの怪我と
首の痛み程度で済んだ。
 後は、精密検査をしたのでその結果待ちだ。

 和季もチャイルドシートで守られていたため無傷。
驚いて大泣きするぐらいで済みホッとした。
 今は、泣き疲れてベッドでスヤスヤと眠っている。
警察の人が課長に事情を説明してくれたようだ!
 こちらに向かっているらしい。どうしよう。

 無事に助かったから良かったけど
課長にどうやって説明したらいいだろうか。
 車もかなり凹ましてしまったし……。
 きっと凄く怒られるだろうな。もしかしたら
二度と車にも乗らせてくれないかもしれないわ。
 そう思うと落ち込んでしまう。
まだ首がズキズキと痛むし最悪だ。

「櫻井さん。先生から診断結果が出たようなので
診察室までお越し下さい」

「あ、はい!」

慌てて診断室に入る。そして驚く真実を聞かされた。

「えぇっ?それって本当ですか!?」

「えぇ、間違いありません」

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