意地悪なキミの好きな人
先輩の好きな人




……あぁ、まただ。



放課後の図書室、


オレンジ色の夕陽が私と先輩を照らす。



隣にいる先輩がある一点を見つめている。



それは窓の外できっと先輩の視線の先にはーー私のお姉ちゃんがいるんだろうな。


視線を辿るとやっぱりお姉ちゃんが友達と帰るところで。



先輩、お姉ちゃんのこと好きなのかな…。

……好きなんだよね、あんなに見つめてるし。



先輩がお姉ちゃんを見るときはとても優しい顔をする。


でもどこか切な気な。



先輩は一途だ。

誰かから聞いた話だと私が入学するまえからお姉ちゃんのことが好きだったらしい。



お姉ちゃんは鈍感で先輩の好意に気づかない。



ハァ、と一つため息をつく。


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