彼に殺されたあたしの体
疑問を感じたまま、あたしは力なく床に座り込んだ。


流れ続ける血に寒気と眠さを感じ、立っている事が困難になったのだ。


「ごめん……ごめん、美彩……」


先生があたしを見下ろし泣きながら謝っている。


「せんせ……」


あたしは微笑んだ。


大丈夫。


大丈夫だから。


心配しないで。


泣かないで。


このナイフを抜いて、ちゃんと病院へ行けば、あたしたちの赤ちゃんはきっと……。
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