神風の如く

少女の三面性






年が明け、元治元年一月




──ダダダダッ



「沖田さ~ん!」



華蓮は毎日を慌ただしく過ごしていた






「おっ、総司の奴は土方さんだけじゃなくてついに蓮にまで追っかけられてんのか」



「大変だね、蓮も」



「永倉さん、平助君!!
沖田さんを見ませんでした?」



目を話せばすぐにどこかへ行ってしまう



──今日は稽古の日なのにっ!




「いや、見てねぇけど……
なんかあったのか?」



藤堂は幹部の中で一番気楽に話してくれる存在



こういう時も必ず気にかけてくれるのだ




「それがね、今日は稽古の日って伝えておいたのに、どこかに行っちゃって……」



そもそも稽古の日とか、巡察の日とか自分で把握して欲しいものだ



華蓮は土方の小姓であって、沖田の小姓ではない




「ったく総司の奴………
蓮は土方さんの小姓だろうに


よし、俺が行ってやるよ!!
どうせ今日は非番だし………
新八っさんも暇でしょ、行くよっ!」



「えっ、いいの!?」



華蓮一人ではまだ教えるまで自信がないので沖田を探していたのだが、藤堂と永倉にやってもらえるなんて思ってもみなかった



「あったりまえだろ!」



「ちょ、おい、平助~」



「ごちゃごちゃ言わない!
蓮が困ってんだから」



藤堂は意気込んで、無理やり永倉を引っ張りながら道場へ向かう



「えぇぇ……(総司、恨んでやる)」



華蓮は永倉に心の中で謝った












道場に行くと、華蓮の所属する一番隊はもちろん、他にも違う隊が練習していた



「みなさん、お待たせしてすみません、今日は沖田さんがどこかへ行ってしまったので、平助君と永倉さんが稽古してくれますよ!!」



一番隊にそう告げるとみんな喜び出した




──沖田さんの稽古、厳しいからなぁ




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