唯一の純愛
障害
妻は身体障害者でした。
若い時分に、喘息の発作から心肺停止状態に陥り、その後遺症でランス・アダムス症候群という病気を発症してしまいました。

世界的に見ても、症例が少なく、治療法も確立していない病気です。

妻の場合は、手足が震えるという症状でした。
脳からの指令がうまく伝わらないらしく、自分の意思ではどうにもできなかったようです。

手が震えるので、細かい作業ができず、酷い時には日常生活すらままならない状態でした。
また、足の震えは自立歩行に支障をきたし、室内では壁や手すりを使っての伝い歩き、屋外では歩行器を使っての歩行を余儀なくされました。

車椅子の方に比べれば、見た目には軽度の障害に思えますが、四肢を思い通りにできないというのは、見た目以上に辛かったと思います。

実際、周囲の理解は得られていなかったと思います。
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