よくばりな恋
拉致とキス
聞きなれた電子音を探して右手を伸ばす。あまり長く鳴らしてしまうと他の人が起きてしまうかもしれない。携帯のアラームを切り、起き上がって伸びをする。

着替えを済ませてリビングに行くと、昨夜飲んだあとがそのままだった。お皿とグラスを片付けてキッチンへ運ぶ。ざっと洗ってから朝ごはんの準備をしよう。

紗英と成海先生は和食が好みだからお味噌汁とだし巻卵と・・・・・・・・・・・・・・・斯波先生の好みは分からないからいいや。

お味噌汁に入れるネギを刻んでいると、後ろ襟のところにぽとりと何か落ちてきた。

え?雨漏り?
まさか。

振り返り見上げるといつの間にか斯波先生が見下ろしていた。シャワーを浴びたのか髪の毛の先からぽとりぽとりと水滴が滴っている。しかも上半身裸だ。



「お・・・・・おはようございます」


目のやり場に困る。朝からイヤミなくらいイケメン。自分でも顔が赤くなるのがわかるから離れてほしい・・・・・・・・・・


「ああ、悪い。処女には刺激が強い?」
斯波先生がニヤリとする。






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