Sweet Lover
18.escape
……カレンさんって、元カノ?

気になったけど、結局、駐車場に入るまでそれを口にすることは出来なかった。


「俺のこと、信じてくれる?」

吸い込まれるような黒い瞳で見つめられて、Noなんて言えるわけがない。

私は流されるように、こくりと頷いて、響哉さんの手を掴む。

「カレンさんは、その、人工授精でペギーを産んだって……こと?」

「恐らくね。
 でも、その話には触れないで欲しい。
 ……ペギーは、そういう目で見られることに、とても臆病になっているから」

「うん」

頷きながら、思う。
きっとペギーは響哉さんのそういう心遣いが好きで、Dadって慕ってたんだわ。
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