Sweet Lover
お父さんの驚く声に、少しだけちくりと胸が痛む。
それは、間違いなく私が過去、「キョー兄ちゃん」を好きだったという証でもある。

「本当よ、お父さん。
 だから、心配しないで。明日荷物を取りに行くわ」

「そんな、急に今日じゃなくても」

「そうなんだけど。
 ほら、折角だからゆっくりお話でもしてみようかと思って」

そこまで言うと、突然須藤さんが私の電話を取り上げた。

しばらく何か話して電話を切る。
< 25 / 746 >

この作品をシェア

pagetop