家に入るとしばらくして、引越し会社の人が来てくれた。

本や勉強道具、服などを纏めて運んでもらう。

作業が終わり、お茶を飲みながら一息ついていると、お父さんが口を開いた。

「真朝。本当に行ってしまうのかー。淋しくなるなぁ」

唐突にそう切り出されると、なんだか胸が痛くなる。

「ごめんなさい、お父さん。
 でも、まだお嫁に行くわけじゃないし」

「当たり前じゃないかっ!
 真朝はこの家からしっかり嫁に出してやると、葬儀のときに兄さんに誓ったんだっ」

ドン、とお父さんがテーブルを叩く。
ぐらり、と湯飲みが揺れた。

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