LOVE SICK



間違ったことをしているのはわかっていた。


それでも私はそっと、もう一度彼のその柔らかい唇の感触を味わった。


素敵な人だったから。

優しそうな人だったから。

大人な人だから。

深入りはしないから。

お互い都合がいいから。

傷つく人は、いないから……




弱さの言い訳なんて、いくらでも思い付く……




私はただ、寂しさを紛らわせる熱が欲しかった……

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