オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
パンケーキ
「梨聖(りせ)――、次、文化人類学だけど、どうする?」
 
帆乃香(ほのか)が、今終わったばかりの統計学の講義のノートとテキストを鞄に入れながら尋ねてきた。

統計学の教授は厳しくて、ちょっとおしゃべりしただけで、マイクを通して注意する、というようなひと。
 
そのピリピリした空気から開放されて、講義室はざわざわと生徒たちの雑談の声で溢れかえっていた。
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