涼は「ホラ何ともないよ」と言い手首を美咲に見せた。
一瞬安心したが、涼が見せているのは手首の内側だという事に気付いた美咲は涼の左腕を掴むと手首の外側を見た。


「どこが何ともないのよ。痕が残ったりしたら」

「大丈夫だよ。こうやってシャツ伸ばして着れば」


涼は腕まくりしていたシャツを伸ばすが袖は寸足らずで短く手首丸出しの状態になった。


「あ、少しサイズ小さめだったから袖が…ね」

「ごめんそれ大樹のスペア。まだ涼用に準備してなくて」

「気にしてないよ。急に泊まった俺も悪いんだから」


そう言って涼は左手首に腕時計をはめた。


「ほら時計したら見えないだろ?」

「マイク持つ方だし、時計だってしない時が…」

「まぁ何か問題が起きたら美咲に責任取ってもらうよ」

「え?」

「俺を傷モノにした責任は重いよ~」

「慰謝料? 私出せる?」

「美咲が一生かけても返せない額請求してやる」


シュンとした美咲の頭に涼の右手が乗りクシャクシャと髪を掻き回した。

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