「藤沢君とは最近知り合って友達になっただけよ」

「へ? それなら何で美咲さんちの鍵を?」


正直に話すわけにもいかず、とっさに友達だと言ってしまった美咲は智代から渡された鍵の存在をすっかり忘れていた。


「あ~えっと。昨日飲んだ席で私アパートの鍵落としたみたいで。拾った藤沢君が届けてくれたのよ。ホント参ったわよ。家に着いたら鍵が無くて結局彼氏のうちに泊まったんだもの」

「そうだったんですか」


ジリジリと智代は美咲に詰め寄るとブスッとした顔をして美咲に言った。


「ズルいですよ。彼らと友達になった事、何で教えてくれなかったんですかぁ」

「ごめん。知り合った時は智代ちゃんの好きなグループの人だって知らなかったのは本当なの。今度のコンサートの時にビックリさせようかなぁ~なんて思ってたのよ」


(苦しい言い訳っぽいかな。お願い、これ以上詮索しないで)


「嬉しいです。大好きなWISHと交流のある人が身近に居るなんて。これで裕翔に近づいたも同然!いつか裕翔に会わせて下さいね」

「ははっ」


もはや苦笑いを浮かべるしかない美咲だった。
彼らの熱狂的なファンを普通に会わせる事など到底出来っこないと。
会わずしてこのテンション。
実際対面したらきっと発狂するレベルで騒ぎまくるだろう。

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