「早く会いたい」と呟いた美咲に涼は笑いながら言った。


『そうだ、痕付けるなって言ったのに付けただろ。衣装着たら隠れなくてメンバーにひやかされたんだぞ』

「見つかっちゃったか。ごめん」

『もぉ勘弁してよ。スチール撮りや映像撮りがあった日なんだぞ。DVDに納まったらどうすんだよ』

「ごめん。そんな大事になるなんて思わなくて。怒ってる?」

『怒ってるよ。俺アイドル失格…』

「どういう事?」

『メンバーに指摘されて気付いた時ちょっと嬉しかったんだよね。けど、それってプライベートな俺としてだから。アイドルしてる俺としてはファンを裏切ってる事になるんだろうなって思うと少し複雑な気分』

「涼」

『もっとしっかりしなきゃな。仕事とはキチンと分けて考えなきゃ。いつか足元すくわれる』


何時になく真面目な話をしている涼は美咲には少し遠い人に感じていた。
一緒にいる時の涼しか知らない美咲にとって涼の仕事に対する姿勢を改めて知らされた気分だ。


「ごめん涼。私に自覚が足りなかった。もっと注意しなきゃいけなかった。涼と付き合うって、そういう事なんだね」


最初に涼に言われた事を思い出した。
普通のカップルの様には出来ない事が多いと。
それは何気ない普通の日常を過ごす事は出来ないのだという事。
美咲は改めて芸能人と付き合うという事の難しさを知った。

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