その日の午後。美咲は智代と共に今夜のコンサート会場へと向かっていた。


「この団扇どうですか? 結構イイ出来でしょ?」と智代は用意していた手作りの団扇を美咲に見せる。
表にはファンである山田裕翔の名前が大きく記されて、裏側にはメッセージ。


「片手に団扇、片手にペンライトです!」

「今夜は関係者席よ。振り回してもイイの?」

「あ~そっか。周りの様子見て使います」


智代は大きなバッグに団扇を大切そうにしまう。どうやらグッズを沢山買う予定らしくバッグを持参した姿は旅行に行くの?と思ってしまう程の大きさだ。


「わぁ~。会場入り始まってる。私グッズブースに行ってきます。美咲さんどうしますか?」

「先に席に行ってるよ。これ智代ちゃをんのチケット」


「ありがとうございます!後で追っかけますね」と智代は元気に手を振るとグッズ売り場の列へと駆け出した。
その足取りは軽やかで。会場の周辺に居るファンであろう女の子達も同様に幸せそうな顔をしている。

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