美咲は午後の休憩時間にロッカーからバッグを取り、出し指輪の入った箱を開けると眩い輝きを放つ大きなダイヤの指輪が誇らしげに納まっていた。
そんな指輪を美咲は箱から取り出し左手薬指にはめる。

ズッシリ重くて違和感がある。それに仕事中にしてたら本に傷をつけかねない。外そうと美咲が指輪に手をかけた時だ。
ロッカールームへ休憩に入って来た後輩の店員、智代に見つかってしまった。
店長以外はほぼ女性店員の職場。目が早い。
指にはめたダイヤの煌びやかさに引き寄せられる様に美咲の元へ駆け寄って来た。


「ソレ婚約指輪ですか? すごっ。何カラットあるんですか? ちょっと美咲さんの指見て下さいよぉ!」


智代はロッカールームへ入ってくる社員に声をかけまくる。
そのおかげで美咲の周りにはダイヤの指輪を見物する女性達で賑わってしまった。


「大原さん結婚するの?」
「やっとお嫁に貰ってもらえるのねぇ。心配してたのよぉ」
「これで私も遠慮せず寿退社考えられますよ」


あれ? なんか最後の方ちょっと嫌味入ってなかった? と思いながらも祝福してくれる気持ちに変わりは無い様で。美咲は皆に向かってお礼を述べた。

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