「私出勤するけど涼は?」
言いかけた美咲を背中から抱きしめる涼は美咲の耳元で囁いた。
「もう少しココに居たい。居心地いいし。鍵貸してくれる? 裕翔を拾いながら鍵返に行くよ」
涼は携帯で裕翔宛にメールを送りベッドから起き上がると美咲を抱き起す。
「一緒にシャワー浴びる?」
「バカッ! 朝から変な冗談言わないでよ」
美咲は涼の背中を両手で押しバスルームへ誘導した。
「一緒に入った方が効率いいのに。何今更照れてんだよ」
「いいからっ。はいバスタオル。替えの下着とシャツ」
「ありがと」
「どう、致しまして」
改めてお礼言われると照れるなぁ。と思いながら扉を閉め美咲は朝食を用意した。
美咲はトーストとスープ、サラダを作る。どう見ても手抜きな朝食だ。
あり合わせにも程がある。と思いながらも美咲は少しぎこちない手つきで調理していた。
そんな美咲にバスルームから出た涼の声がしてきた。