その日の夜。


私は外で月を見上げていた。
三日月、桜にちょうどかかってとても綺麗…

ー私が死ぬのは3日後。
満月の夜。


ふわり、と隣に誰かが座る。


「……黒百合」


黒百合は黙って空を見上げる。


「今日はごめんね…
貴女が守ろうとしてくれたのに」


黒百合は首を横に振る。
そして私を見て、


『あ り が と う』


口の形でそう分かった。
私が首を傾げると。


『ま も て く れ た
わ た し こ ろ さ れ て た』


守ってくれた
私殺されてた…?


「私が詠わなければ、黒百合は罰を受けてた…
だからありがとうってことなの?」


こくんと頷く黒百合。
私はまた月を見上げた。


「私の方こそ…ありがとう
紅楓にああ言われた時…もしかしたら泣いていたかもしれない」


びっくりした目で黒百合は私を見てきた。
私は軽く微笑む。


「私だって人よ?
涙するときもあるわ……」




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