朝の陽光を感じて眠りから目を醒ましても、全身の気だるさは残っていた。


 摩央は床に座った体勢のまま、ベッドに顔を突っ伏して微睡んでいる。


 昨日は私が上から包み込むようにして摩央の手を握ったはずなのに、今はお互いの手が上下反対になっている。


 我が儘で傲慢な性格からして、きっと摩央は甘えた家庭環境で育ったんだろうなと予想していた。


 苦労知らずの少年なんだって、勝手な色眼鏡で見ていた。


 親の顔を一度も見ないまま育つことがどれほど切なくて孤独だったか、両親が健在な私からは到底計り知れない。


 ――うまそー……。


 手作り弁当が気になったのも、愛情に飢えているからなのかな。


 私は自由の利く手で、摩央の柔らかい髪をそっと撫でた。

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