「よおし!コレで最後の荷物だあ!」

パパは張り切ってトラックの荷台にダンボールを詰め込んだ。

パパが知り合いから借りて来た軽トラックの荷台は私の荷物で一杯になる。

私は振り返って長年住み慣れた我が家を繁々と眺めた。

「早く乗れー!遥!」

既に車に乗り込んだパパが運転席から声を掛ける。

「ちょっと待って!」

私が鋭い視線で睨みつけるとパパは押し黙った。

当然だ…借金前払いの為に、私は今月から葛城家別邸で暮らす事になったんだから。


パーティーの後、早速葛城父から引っ越しの打診がパパにあったようだ。

年末年始は葛城家も色々忙しかったようなので、大学の後期が終了する2月からお世話になることとなった。

匠さん自身も家業の手伝いやら何やらで奔走していたようで、大学で姿を見かけることもめっきり少なくなった。

たまにスケジュールの合間を縫っては連絡を寄こし、何度か食事にも行ったけど、なかなか二人でゆっくり過ごす時間を持てず今日現在に至る。

しかし、放置状態だった頃に比べると、大分進歩したように思われる。


「空良、櫂、お姉ちゃんがいなくなってもママの言う事をちゃんと聞くんだよ?」

私は見送りに来た弟たちの顔を見つめると思わずジンとしてしまう。

「うん!来週部屋の模様替えするんだ!」櫂は嬉しそうにニッコリ笑う。

私が家を出ることについて、最初のうちは双子達も悲しんでいた。

しかし、私が出て行くことにより、今まで二人で同じ部屋を使っていたけれど、一人部屋になる、とパパに唆され…いや、説得され、逆に引っ越しを心待ちにするようになっていった。

人間、基本的には自分が一番カワイイものだ。

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