婚約者は突然に~政略結婚までにしたい5つのこと~
家に帰ると、早速買ってきた服を広げて、鏡の前で1人ファッションショーをしてみる。

買ってきた白いパンツもピッタリでいい感じ。

空色のワンピースも意外とよく似合っていた。

最後に葛城に買ってもらった淡いピンク色のニットに袖を通してみる。

シンプルなデザインだが、裾が少し長めで身体のラインが綺麗出る。

肌にしっくり馴染んで着心地もいい。肌の色にも良く合っていた。

悔しいけど、今日買った中で一番素敵…

一流品を自然に着こなしている葛城。

このニットに袖を通すと、隣にいても少しだけ自信が持てるような気がしてしまう。

鏡に映った自分の姿を見つめて、そっと唇に触れる。

今日のキスはいつもの紳士的な振る舞いとは裏腹に情熱的で激しかったな。

苦しいけど甘くて蕩けそうになる感覚を思い出す。

あのまま店員さんが来なかったら私はどうなちゃっていたのかしら。

「だあ!やめやめっ!」頭をブンブンと振って回想を振り払う。

ニットを脱ぐとハンガーにかけてクローゼットの中に封印した。
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