(2)16歳、嫁入り当日の朝



(あの日。7歳のあたしを助けてくれた男の子は、やっぱり神さまだったのかな……?)

豊海の海にはカイライ様だけじゃなくてその眷属神もたくさんいるって、海来神社の巫女のおねえさんから聞いたことがあった。あの子もその神さまのひとりだったのかもしれない。

「…………あの子の名前、聞いておけばよかったなぁ…………」

呟いてから、あたしは自分の声にびっくりしてはっと目を覚ます。

「わあ……自分の寝言におどろいて起きるとか、なんかバカみたい……っ」

誰も見てないのに恥ずかしくなって、お布団被ってそのまま二度寝しようとして。でも今日はぜったいに寝坊してはいけない日なんだってことを思い出して、ばっと起き上がる。



部屋の時計を見ると、アラームをセットした時刻のちょっと前だった。

昨日の夜は緊張してなかなか寝付けなかったわりには気持ちのいい目覚めで、あたしはベッドを下りると勢いよくカーテンを開けた。


明け方の空は、予報どおりの快晴。窓をすこしだけ開けると、海は見えなくても波の音が聞こえてくる。


(ひさしぶりに見たな。あのときの夢)



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