【紙のお婿さま?】



「うはあ。重かったぁ」


『神婚の儀』が滞りなく終わり。

控え室に戻ってきてようやく重かった婚礼衣装を脱がしてもらうと、襦袢姿になったあたしは思わずその場でおおきく伸びをした。

それでもずっすり肩に伸し掛かっていた衣装の重みの、余韻みたいなものが取れなくて肩をぐるぐる回す。


そんなあたしの様子に、衣装を脱がせてくれていた女中役のおばさまのひとりが、ふふっと笑って声を掛けてくれた。



「ののか様。どうもお疲れ様でございました」
「あっ、いえっ。……こちらこそ、どうもお疲れ様でしたっ」


あたしがその場で勢いよく頭を下げようとすると、おばさまが「ちょっとお待ちになって」と慌ててあたしの頭を押さえた。


「こちらの宝冠を今お取りしますから。それまで頭を動かさず待っていてくださいね」
「あ、そうだった……!すみませんっ」


あやうく神事用の大事な宝冠を振り落としてしまうところだった。おばさまはあたしを椅子に座らせると、宝冠を取って乱れた髪を整えてくれる。


「すこし肩をお揉みしましょう。お辛いでしょう」
「えっ、いえ、そんな」

「どうか遠慮なさらずに」


そういっておばさまはあたしの肩を労わるように揉み解してくれる。



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