【初恋の彼】



隣にいる彼は、男の人というか、青年と少年の間の、あたしとは同年齢くらいのひとに見えた。そのきれいな顔から目を離せずにいると、彼はあたしを落ち着かせるようにもう一度にこりと笑ってくれる。


その瞬間、心臓がぎゅっと掴まれたように痛んだ。



(この顔。このやさしい笑い方。……間違いない。あのときの男の子だ……)



彼はあの日浜辺で会ったときの面影を残しつつも、だいぶ変わっていた。


声は相変わらずきれいだけど、いくらか低くなっていて、凛とした中にもしっとりとした甘い響きがあった。

顔立ちも子供らしくふっくらしていた頬は引き締まり、左右対称のやさしげな形だった目は形はそのままなのにどことなく男らしく力強くなっていて。

体つきも肩幅は広く、背だってたぶんあたしよりだいぶ高くなっていて、婚礼衣裳ごしに見るその体は男の子らしく角ばり、逞しくなっていた。


以前会ったときは、顔立ちも体つきも男の子にも女の子にも見えるほど繊細でうつくしい子だったのに、今目の前にいるのは大人の男へと羽化する直前の、清廉で瑞々しい美貌の青年だ。


あたしが想像していた以上にすてきな成長を遂げていた彼に見入っているうちに、胸がむずむずしてくる。



(このひとが、あたしがずっとずっと会いたかったひとだ)



そう確信した途端に、あたしの涙腺は崩壊してぼろぼろ涙がこぼれ落ちてきた。


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