【初夜の契り?】




「疲れているんだ。話なら後にしてくれないか」


ウトウトと眠りの世界に沈んでいたあたしの耳に、どこかから不機嫌な声が聞こえてきた。


『……ですが、若』
「左狐(サキ)、くどいぞ。下がれ」


なにかイラついた男子の声がする。けどあたしの意識は眠りの世界に深く埋まっていて、目を開けることが出来ない。


「そういえば右狐(ユウキ)はどこへ行ったんだ?早乙女のことを頼んでおいたのに。……まさかまだ風呂に入っているのか?」
『さてどうでしょう。女の長風呂はたいそうなものですからね』



話し声と足音がすこしずつ近付いてくる。



「それにしたってもう2時間だ。……早乙女はどこに行ったんだ?もう『和合』をはじめなきゃならない頃合いなのに………」



誰かがすこし乱暴に襖を開ける音がした。その誰かは、あたしが眠る寝室に足を踏み入れると、途端に絶句して立ち止まった。



『若?どうなさいましたか?………おや』


何かがあたしに近寄ってくる気配がする。でもまだ意識が重たくて覚醒することが出来ない。あたしに寄ってきた何かは、あたしのそばでくすりと笑った。


『これはこれは大胆な。……随分と罪な寝姿ですな』
「……さ、早乙女……っ!?」


あたしの名を呼ぶ男子は、驚きのあまりなのか、声を裏返らせた。


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