初恋　二度目の恋…最後の恋
　一か月の成果としては十分なものだと思うが、高見主任の求める値にはなかなかみんな上り詰めることが出来ないようだった。でも、高見主任の成績の発表を聞きながら…厳しい言葉に納得すると同時に一課という場所が最前線であるが故に甘くないと思い知らされる。


　今月の高見主任の成果はみんなに言うだけの事はある。他の社員の二倍の成果を叩き出していて、これだけの成果を上げられると他のものは何も言えないだろう。


「私は出来ないことを言ってません。営業というのは地道な努力と効率いい動きです。もう少し自分の行動を考えてください。が、しかし、今月のうちの課の成果は前月比１．５倍ですので、それはよく頑張ったと言えるでしょう」


　高見主任の言葉に空気の緩みを感じさせる。主任という立場でこの空間を自由に操ることの出来るのは流石としか言いようがない。


「では、今日は定時で上がって、坂上さんの歓迎会をしましょう。折戸と小林でいい店を見繕ってくれ。」


　そして、高見主任は私に最初にあった時のように柔らかな表情を向ける。


「細やかながら歓迎会をしよう。来月に入ると少し忙しくなるので、今日でいいかな」


　私はそんな高見主任の言葉に頷き、さっきの小林さんの言葉を思い出していた。


『高見主任は仕事の時は鬼だから』
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