俺達が暮らし始めたのは、
母の親戚が今使用していない
空家があるからと貸してくれた
二階建ての一軒家だった。

築こそ古いが大人一人に子供二人が
住むには充分過ぎる広さだった。

ただ、母の希望により
前の家から大分離れた土地だった為
転校を余儀なくされたけど。

元々、前の学校に友達と呼べる子は
いなかったし俺には何の支障も無かった。
寧ろ環境が変わったお陰で心機一転した
気分にさえ感じていた。

住む場所が確保されたからといって
その他の生活の保証は何も無い。

色々役所で手続きが終わった後、
母は結婚前にやっていた看護師として
働き始めた。


四年生になった頃には
夜勤で疲れている母に代わって
見よう見まねで料理をするようになり、
最近では家事全般を
あらかたこなせる様になっていた。

中学三年生で受験を控えている兄や
生活の為に働いてくれている母の為に
俺が出来ることっていったらこれくらい
しかなかったし、
決して褒めてもらいたくて
やった訳じゃない。

当然、そんな言葉を母から一度も
掛けられたことはなかった。

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