「まぁ!ありがとう」


満面の笑みは二人で用意したプレゼントに、
というよりも久し振りに来た兄さんが
誕生日を祝ってくれている事自体にあり
母さんはいつになく上機嫌だった。

「そういえば朝輝」

「ん?」

「アンタいま彼女いる?」

母から突然飛び出した予期せぬ言葉に
心臓が跳ねた。


「いきなり何んだよ」


「いるの?いないの?」


(…………)


いま席を立つのも変だ。
かといって耳を塞ぐのも同じ。


「ねぇ?朝輝」


やめて、母さん。
聞きたくない、聞きたくない!!


「何?イイ子でも紹介してくれんの?」


「あのね、ウチに新しく入った事務の子が
すごく気立てが良くってしかも美人なのよ」


「へぇ、興味あるね」


兄さんのその口調に皿を拭く手が止まる。



「写真見る?先月の歓迎会のがあるの」


兄さんが話に乗ってきたのを
喜んで母さんは引き出しの中から
写真を引っ張り出してきた。


「ホラ、美人でしょう?」


「へ~確かに。可愛いな」


「でしょう?性格も凄く良いのよ」



……居た堪れない。
こんな事なら来るんじゃなかった。

何が悲しくて兄さんが女の子の写真をみて
笑う顔なんか見たいもんか。

この作品のキーワード
切ない  義兄弟  シリアス  年の差  高校生    じれじれ  年齢差 

感想ノートに書き込むためには会員登録及びログインが必要です。