クレームの女王
「さあ、今から練習を始めよう。
わかった?」


「はーい」


祐樹が手を上げて答える。


麗華がゴミを押しのけて
部屋の中に広いスペースを作った。


一体そこで何を始める気なんだろうか?


それは麗華に残された財産を
有効に使い切るための


訓練を始めようとしていたのだ。


麗華の顔から段々と表情が無くなり
人形のようになっていく。


人ではなくなってしまった麗華。


今から木偶人形と小さな男の子が
繰り広げる


一大ショータイムが
この部屋の中で繰り広げられるのだ。



そこには人間性など
一片すら残されてはいなかった。



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