クレームの女王
ゴミをのけて作った広い場所に
祐樹を立たせる麗華。


「これからね、祐樹。運動会の練習しよう。
ママがよーいどん!って言ったら走ってね」


「うん、わかった」


祐樹は握り拳を作って走る用意をする。
かけっこの練習は保育園でもしているので


祐樹のスタートを待つフォームは
なかなか様になっている。



「よーい…どん!」


祐樹が走り出す。


「よくできたね。もう一回いこう。
よーい…どん!」


また祐樹は走り出す。


しばらく外に出て運動していなかった祐樹は
嬉しそうに何回も走り続けた。

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