クレームの女王
押入れから外に出るとママはもう寝ていた。


ブランド物のバッグを頭の上に置いて
すやすやと眠る麗華。


そんなママの姿をじっと見た祐樹。


「もうさびしくないよ。パパ」



そうつぶやいた祐樹は
自分の布団にもぐりこみ



目をつぶる。



静かな夜が更けていく。



今は静かな夜だが
明日、麗華は車に向かってかけっこを


実行するつもりだ。



祐樹は車の下敷きになってしまうのだろうか?
そして麗華は二つ目のバッグを手に入れるのだろうか?


すべては明日の運命しだい。


夜空は二人の頭の上を黒く覆い尽くしていた。



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