私を惚れさせて。私の虜になって。
ちゃんとした、やり方で。
まーくんは、まーくんにとって、難しい高校を目指している。

だから、講習もちょっと多めに入れたみたいで。

松木と私2人で、自習室にいることが多い。

好きって言っちゃって、自覚しちゃうと、もう、どうしたらいいかわかんない。

「すがちゃん」

「ん?…っ」

松木は、まるで悪魔のよう。

だれもいないからって、すぐ、こんなこと…。

「まだ引かねぇな。腫れ」

「うん…。どうしよ」

お母さんへの言い訳も、大変だった。

「ったく…」

私に呆れる松木は、私の腫れている頬を撫でる。

「おたふくみたい」

「知ってる。くすぐったい」


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