私を惚れさせて。私の虜になって。
ごめんね、
まーくんを、横にして寝かせて、

その分私たちの場所は小さくなる。

「なんか受けるぞその顔。目がほっぺみたいになってる」

人の顔を見て笑うなんて、失礼きわまりない。

「ねぇ、まだ帰れないの?」

どんなにひどい土砂崩れなのか知らないけど、

「うーん…。あんま進んでねぇみたいだな」

「なんで?」

「そこまでしらねぇ」

「いつ帰れんだろ…。ほんと」

「早く帰りたいな」

「うん」

頷いたついでのように、学ランがなくなってスカートだけになった膝に顔を埋めた。

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