私を惚れさせて。私の虜になって。
みんな
ドライヤーで乾かしても、まだちょっぴり濡れた髪の毛。


もう、いいや、こんなもんでしょ。



松木がお風呂に入ってる間に、済ませなくっちゃ。


「あの…」


きっと、松木以外のみんながいるリビングに入る。


すぐそばのキッチンにいた松木のお母さん。


「あら、どうしたの?」


「えと、私明日ここ出て行きます…。だから、今までありがとうございました」


「明日なの…?随分急なのね…」


「今日、決まって」

「そう…楽しかったよ」


にこっと微笑む。


「楽しかった?」


「うち、男ばっかでしょー?もうねぇ、トラ飼ってるみたいなのよ」


「ふふっ。トラ、か。」


確かに。

「友李ちゃんいて、穏やかだったのよー。2人とも、女の子いるからって本性隠しやがってねぇ」


「ははっ。今でも十分うるさいのに?」


「そーよー。ご飯の時も、楽しそうだったから。3人ともね」


「ありがとうございます」


「ま!何時でも遊びに来なさい!トラどもが待ってるから!」


「はい。ありがとうございました」


「いーえー」


ペコッとお辞儀をして、


そのまま、ダッシュで松木の部屋に。


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