私を惚れさせて。私の虜になって。
ありがとう
「あ、あのね…」


また、泣き出しちゃう。


「うん」


また、頭撫でてくれて。


「何で、今日はこんな優しいの?」


何で、私は知らんぷりしてるのに。


「何でって…」


「私が明日いなくなるから?最後だから?だからこんなことしてくれるの?」


普通が、1番、嬉しいよ。


気にして欲しくなんか、ない。


「…やだったか?」


「やだ」


頭を撫でてくれてた手を離す。


「ごめんな」


「…ん」


やめてなんて、言ったくせに。


私から松木に抱きつくなんて。


変、だよね。


「これは、抱きしめてもいいってことか」


「うんっ」


松木が抱きしめてくれる分、私もいっぱい抱きしめる。


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