私を惚れさせて。私の虜になって。
たくさん。
「ほら。降りろ?」


「…あ、うん…」


ぼーっとしてたら、松木はいつのまにか観覧車から降りていて。


いくらここで駄々こねてたって、もう松木は降りたんだから。


差し出してくれた手を取って、急いでそこから降りた。


「あ!なにしてたんだよー!」


手は繋がれたまま。


松木がすこし走り出して。



その先には、ペットボトルを抱えた、まーくんと俊くん。


「買いに行ってたら2人もう乗ってるから。なぁ?」


「薄情な奴だ」


言葉の割には、面白そうな、嬉しそうな。そんな風に笑ってるから、いいのかな。


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