私を惚れさせて。私の虜になって。
どうしたんだろう。
大嫌いな学校から、

大好きになったお家に帰る。

「たっだいまー」

「おかえり」

誰も、私が学校でぼっちだなんて気がつかないけれど。

好きなところが、出来たんだから、別にいい。

私が嫌いな人は、私だって、嫌いだ。

「友李ちゃん…」

「コーヒー!」

お母さんが聞くことはいっつも一緒だから。

「分かった」

あったかいコーヒーを出してくれて、

私はそれを飲んでから、塾にいく。

いつものことだ。

たまに、

「お姉ちゃん。ここ」

ちょっと偉そうな優葉が、宿題を聞いてくる。

「んー…っとね、ここは…」

教えるのは、得意だ。

「あー!なるへそー」

「ふるっ」

わかったって、笑う顔が大好きだから。

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