俺様社長と秘密の契約

嵐がやってくる

しばらく、秘書業務を休んでいた私は、勘を取り戻すのに、少し時間がかかったけど、何とか、前みたいにそつなくこなせるようになってきた。

…復職半年。

神宮寺前社長からは、何もされない。龍吾さんの仕事ぶりに、認めてくれたのか?

そう思うようになっていた。

龍吾さんは、私と対照的で、相変わらず私から片時も離れない。

海外に出張するときも、必ず私を連れて行く。

…心配性だなぁと思うけど、大切にされていると思うと、素直に嬉しい。

そんな幸せな日々の中、社長室に、嵐がやって来た。

蓮城 創(れんじょう はじめ)が、龍吾さんに会いに来た。

蓮城と言えば、神宮寺財閥に匹敵するほどの大財閥だ。

ホテル、飲食、…。

「…蓮城さんほどの方が、私になんのご用でしょうか?」

龍吾さんは冷静に問いかける。創はその問いににこやかに答えた。

「回りくどい事は言いません。理子さんを私にください」
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