俺様社長と秘密の契約
それは何度も角度を変え、私の上に降り注ぐ。

…私は、それを素直な気持ちで受け止める事が出来た。
素直に受け取ると、こんなにキスって気持ちいいモノなんだと、初めて知った。

…ゆっくり放された唇。…それをもっと欲しいと思うのはいけない事なのかな?
そうは思っても、恥ずかしくて言えなかった。


「理子、愛してるよ」
「…私も、です」


2人の気持ちを再確認した私たちは、フッと微笑みあった。
・・・そして、またあの甘いキスが降ってくる。


「…今夜は理子のすべてを見せてくれ。
…今迄みたいに殻に閉じこもってないで、全部だ」

そう言って、額に、頬に、唇に…それは首筋に落ちていく。

私は一つ一つのキスを、しっかりと受け止めた。
それはどんどん私を快楽へと導いた。

・・・初めての人は社長だったが、今まで気持ちいいと感じた事はなかった。
そこに、気持ちが入っていなかったからだ。

・・・でも、今は違う。
心がこもっている。…社長の気持ちも全身全霊で感じられた。



「理子…理子・・・」
何度も何度も、私の名を呼んでくれる。
私はたまらなくなって、涙が流れた。

その涙を、社長は優しく拭ってくれる。

「お前を必ず幸せにするから・・・」

「龍吾・・さん。…好き…愛してます・・」

何時しか私たちは、最高の快楽に導かれていった。

・・・これから待ち受ける不安をすべて忘れ去って。
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