俺様社長と秘密の契約
「とにかく、彼女をオレにくれる事が、御堂コーポレーションを継ぐ条件だから…
仕事があるから、帰るよ」

「龍介!」
引き止めたが、龍介はそれを聞かず、社長室を出て行った。

力なく椅子に腰掛けた。
2人がいつ、出会っていたのか。
俺は知らない。

俺の方が、理子と出会ったのは、早かったはずだ。

そんなことは、理子を自分のモノにする理由にはならないか。

理子の事を話す龍介の顔は、嬉しそうだったな。…それとは対象的な理子の曇った顔。
…いや、むしろ、怯えているようにも見えた。

その、理由が知りたい。
理由によっては、今後の事を、考え直す必要がある。

…理子、俺に何を隠している?
不安は募るばかりだった。
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