鬼部長と偽装恋愛はじめました
部長のOFFの顔にドキドキです
と言われたものの、本当にいいのかな……。

部長のあとについてリビングへ向かうと、思わず声を上げてしまった。

「素敵! 街を見下ろせるんですね」

リビングの窓の外には、広いバルコニーがある。

「ああ、出てみても構わないけど。そんなに感動した?」

部長はクックと笑って窓を開けてくれた。

普段はまるで見せない笑顔に、戸惑う自分がいる。

「景色がキレイだなって思って……。ここ、テーブルとか置いたらいいのに」

風が適度に吹いてきて、なんて気持ちいいんだろう。

特に今日は晴れていて暖かいからか、ずっとここにいたい気分だ。

それに、部屋で部長とふたりきりっていうのもちょっと気まずいし……。

バルコニーの柵から景色を堪能していると、部長がふと言った。

「なるほど。テーブルか。なあ、買い物行く?」
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