「誰かな?」

祐平は服を着ながら、ため息混じりに言った。

私も着替えて、祐平の後を追う。

「せっかく、香奈美とキスを楽しんでたのにな」

真面目に言う祐平がおかしくて、私は思わず笑った。

私だって、祐平とふたりの時間を邪魔されたくなかった。

だけど、ふたりでいると惜しみなく想いをぶつけてくれる祐平に、私は心が満たされている。

モニターまで確認に行くと、祐平は「あ……」と一瞬固まった。

「どうかした?」

画面を覗き込むとそこには、香坂さんの姿が映っている。

どうして、彼女がここにいるの?

呆然とする私の前で、祐平は応答している。

「はい」

その口調は堅く、私に遠慮しているのが分かった。

「祐平、休みの日にごめんね。例の話、帰国前にさせてもらえない?」

香坂さんの言葉に、祐平は私をチラリと見る。

「私は構わないよ?」

そう答えると、祐平はロックの解除ボタンを押した。